藻岩高校の環境教育
生徒自らが実践する環境保全活動
環境問題が抜き差しならない状況になってきている事は、みなさんもニュース等で見聞きしていることと思います。太平洋に浮かぶ小さな島、ツバル島は地球温暖化による海面上昇でこの先数10年以内に水没する危機にさらされています。自分たちの故郷が失われようとしているのです。
最近ようやく政府や企業も環境問題に本腰を入れて取り組もうという姿勢を見せる中、本校は平成16年から3年間、札幌市の「環境モデル校」の指定を受け、平成18年度からは「環境教育」に全校をあげて取り組んでいます。平成19年度6月8日には学校長より環境に関する基本方針が全校生徒、全教職員の前で宣言されました。
この基本方針は北海道環境マネジメントシステム(HES)の取得を目指しています。
今あらゆる企業が「環境にやさしい」活動をしていることをアピールしています。この「環境にやさしい」事業所かどうかを判定する国際的な基準はISO14001と呼ばれています。広告の隅にこれを取得していますと書かれているのをよく見るようになりました。これは国際的な高度な基準ですが、北海道ではもう少し取り組みやすい仕組みとしてHESという独自の基準を示し、多くの事業所が取得していますが、学校では本校が初めてその取得に乗り出しました。
藻岩高校にはすでに実績がありますが、新たに、より徹底した省エネや環境改善などの目標を設定しました。この結果がクリアできれば、晴れて学校のHES認定第一号に認定されます。
では具体的に藻岩高校ではどのようことを宣言したのか、基本方針の一部を抜粋します。
2007.9.20 藻岩高校は北海道の学校で、HES認定第一号に認定されました。
環境教育の実践推進
校地内の清掃活動
- (1)環境改善の計画的な推進に取り組みます。
- (2)電力消費の削減に努め、環境汚染の予防と環境保全の向上に努めます。
- (3)校舎内外の美化の取り組みを推進します。
- (4)ビオトープ等の設置を通し、自然との調和を図り、環境改善の啓発に努めます。
一昨年は本物の自然を観察し、自然環境の大切さを体感できるよう、校庭に「キハダ」の禾を植えました。ミヤマカラスアゲハをいう大きなチョウが産卵する木です。 ただの庭木のように見えて、実は命をはぐくむ重要な役割を果たしています。
今年度はこのチョウを育む庭を拡張し、生徒のボランティアを募集し、70名以上のボランティアの生徒と、環境調査の報告、研究発表で全国レベルの評価を受けているフィールドサイエンス部の部員が協力して推持管理にあたっているところです。清掃ボランティアと名付けた校内外の美化では、ボランティアの生徒が、毎月庭ぼうきを持って校舎内外の清掃活動を行っています。
このように生徒が身近なところから自然や環境について考える場が藻岩高校にはあります。きっと全員が、環境に関する何かの活動に参加できるでしょう。
学校祭
各クラスの環境宣言
学校祭でも一昨年から「環境にやさしい学校祭」にしようと取り組みを行っています。今年の開祭式では、大きな文字で映し出されたスローガンを、生徒全員で読み上げるところから始め、学級ごとに環境教育への取り組みを設定しました。終了後のごみ出しの時にも、昨年から来年も使える木材や、工具など多くのものを集める「リサイクルセンター」を作り、木材や工具など多くのものが再利用できるようになりました。
授業での取り組み
情報科授業での環境ポスター各教科の教材に環境問題を取り入れる活動は、目立ちませんが着実に進んでいます。ひとつ例をあげれば情報科では、コンピュータを使って生徒に「環境へのメッセージ」をテーマにポスターの制作を指導しています。多くの完成度の高い作品が多数制作され、その一部は廊下に展示されメッセージを送り続けています。また理科では近くのサケ科学館での実習を毎年行い、生徒は生の生物に小中学校とは違った感動を体験しています。
大学との連携
北海道大学農学部の研究室で 一昨年度より北海道大学の協力を得て、SPP(サイエンスパートナーシップ・プログラム)事業を実施しています。これは環境に関連した多くのテーマで、1年生全員が5人程度の班に分かれ、多くの実験、実習の中から一つを選び、一日かけて北大の研究室で講師陣の指導を受け、一日研究者になります。そのデータや写真を学校に持ち帰り、大学院生の指導を受けながら、まとめ方、発表法を考え、コンピュータの画面を照らし出すパワーポイントというソフトを使って発表します。この方法は企業が企画を考えるときに、グループを作り各グループが自分たちの企画を発表しあう時に当然のように使われる方法です。これらの機会を通して、理系に進む生徒に研究とはどういうものかを感じてもらい、文系に進む生徒にも、理系の発想の一端を知ってもらうと同時に、自分たちの考えをどう発表したら周囲の理解を得られ、発信できるかを理解してもらう実体験になります。
藻岩高校の目指す環境教育
洞爺湖での環境サミットも現実のものとなり、環境問題が非常に重要な国の政策課題になり、環境に関する意識と意欲を持った人材を一般企業でも必要とする時代になってきています。本校の環境教育の目指すところは環境に優しい心を育むことによって、他者にやさしい心を育むことです。
藻岩高校の環境教育はまだ道半ばにあり、まだまだ取り組むぺきことは残されています。多くの皆さんの協力を得て、今後もより完成度の高いものへと発展させようとしています。また、これらの活動は、財源も含めてPTAの全面的な協力のもとに実施されました。参画された保護者の皆様とは、さらに連携を強めていただければと思っています。最後に、これらの活動の成果を地域に向かって発情し、藻岩高校lまさらに努力を続けていきます。

